○青木村美しい村づくり条例
平成31年3月19日
条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 景観の保全・育成に関する施策等(第6条―第13条)
第3章 景観審議会及びその他の組織(第14条―第19条)
第4章 雑則(第20条)
附則
前文
青木三山に抱かれた大地に、豊かな自然と先人たちが苦難の末に切り開いてきた農地、古き良き温泉や古塔に象徴される悠久の歴史・文化の織りなす美しい景観は村民共有の財産である。
日本一住みたい村づくりを目指す本村において、美しい景観に調和した建物や土地利用、花や緑でこれを育む心は、より質の高い住環境の形成や産業・観光の発展に必要不可欠で、将来にわたってこれを継承し、磨いていくことが求められる。
本村のさらなる発展を念頭に置きながら、持続可能な社会の形成のもと、将来の生活・産業基盤の整備の進展、時代時代で移ろう開発需要に適切に対処し、村、事業者、村民等本村に関わるすべての主体が協働で、この美しい景観を守り、育てていく実践行動の規範として、ここに青木村美しい村づくり条例を定めるものとする。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、青木村の豊かな自然と人々の営みによってつくられた美しい景観が、村民共有の財産であり地域資源であることを認識し、その保全・育成に対する村、事業者及び村民等の責務を明らかにするとともに、その保全・育成のために必要な措置を定めることによって、本村に関わるすべての主体が、この美しい景観を守り、育てる行動の実践を促し、もって、安全・安心で魅力あふれる村づくりの推進に資することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 用語の定義は、次のとおりとする。
(1) 村民とは、青木村に住所を有する者をいう。
(2) 村民等とは、村民、村内に居住する者及び土地又は建築物等を所有する者又は占有する者並びに村内において景観に影響を及ぼす行為を行う者をいう。
(3) 事業者とは、村内で事業活動を行う法人又は個人をいう。
(4) 建築物等とは、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項第1号に規定する建築物及び規則で定める工作物をいう。
(行政の責務)
第3条 村長は、美しい景観の保全・育成のために必要な施策を策定し、総合的かつ計画的に実施しなければならない。
2 村長は、景観の保全・育成のための施策の策定及び実施にあたっては、村民等の意見が反映されるよう努めなければならない。
3 村長は、事業者及び村民等が行う景観の保全・育成に資する活動を、積極的に支援するものとする。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、事業活動の新規、既存に関わらず、美しい景観の保全・育成に努めるとともに、村が実施する景観の保全・育成のための施策に協力しなければならない。
2 事業者は、自らの責任において、自らが所有し、占有し又は管理する土地及び建築物等(以下「所有地等」という。)が美しい景観に支障を及ぼさないよう、適切な管理及び必要な改善に努めなければならない。
3 事業者は、所有地等において、美しい景観の保全・育成に資する緑化の推進及び樹木等の保全に対し、積極的に取り組むものとする。
(村民等の責務)
第5条 村民等は、自らが景観を守り、育てる主体であることを認識し、美しい景観の保全・育成に努めるとともに、村が実施する景観の保全・育成のための施策に協力しなければならない。
2 村民等は、自らの責任において、自らが所有し、占有し又は管理する土地及び建築物等(以下「所有地等」という。)が美しい景観の保全・育成に支障を及ぼさないよう、適切な管理及び必要な改善に努めなければならない。
3 村民等は、所有地等において、美しい景観の保全・育成に資する緑化の推進及び樹木等の保全に対し、積極的に取り組むものとする。
第2章 景観の保全・育成に関する施策等
(エリアの設定)
第6条 村長は、美しい景観の保全・育成に向けて、よりきめ細かな施策展開を図るため、本村の景観の特性を踏まえ、村内を次の5つのエリアに区分するものとする。
(1) 商工業・業務集積エリア
(2) 温泉街エリア
(3) 田園・里山環境エリア
(4) 別荘地エリア
(5) 森林環境エリア
(1) 商工業・業務集積エリア
国道143号の沿道又は近傍で、村役場や文化会館、図書館、学校、バスターミナル、道の駅、商工業施設等が集積している、又は今後集積が見込まれる場所で、それら各施設の機能に応じた利便性や拠点性を確保しながら、全体として、活気や賑わいをもたらす景観の創出を図り、潤いや統一感のある景観の保全・育成を図るエリア
(2) 温泉街エリア
田沢・沓掛両地区で、宿泊施設や入浴施設が集まって温泉街を形成しているエリアで、これまでに形成してきたそれぞれの温泉街の雰囲気を活かしながら、風情ある景観の保全・育成を図るエリア
(3) 田園・里山環境エリア
扇状地や谷底平野に広がる農地と集落を主体にしたエリアで、青木三山をはじめ遠方も含む周囲の山並みを背景に、田園・里山の環境と調和した暮らしに培われてきた景観の保全・育成を図るエリア
(4) 別荘地エリア
青木の森別荘地に関する条例(平成21年条例第25号)第2条に定める青木の森別荘地で、自然環境と調和して林の中に佇む別荘が形成する一団の別荘地景観の保全・育成を図るエリア
(5) 森林環境エリア
主として山林に覆われた場所で、自然環境の保全を重視して、景観の保全・育成を図るエリア
(行為の届出)
第7条 次の各号に掲げる行為で、規則に定める規模の行為をしようとする者は、原則として行為に着手する日の30日前までに、村長に届け出なければならない。
(1) 建築物等の新築、増築、改築、移転又は外観の変更
(2) 土地の形質変更、土石類の採取、法面又は擁壁の設置
(3) 屋外における物品の集積又は貯蔵
(4) 屋外における広告物の表示又は掲出
2 前項に掲げる行為を行おうとする者は、周囲の景観を損ねないように、建築物等の配置、意匠、色彩等について、規則に定める基準により配慮するよう努めるものとする。
(1) 通常の管理行為その他景観の保全・育成に支障を及ぼすおそれがない行為で、規則で定めるもの
(2) 非常災害のために必要な応急措置として行うもの
(3) 国、地方公共団体が行うもの
(4) 景観法(平成16年法律第110号)に基づき県へ届け出て行う行為及び他の法令又は条例の規定に基づき、許可若しくは認可を受け、又は届け出て行う行為のうち、美しい景観の保全・育成のための措置が講じられるものとして村長が認めたもの
(助言又は指導)
第8条 村長は、前条の規定による届出があったときは、当該届出者に対して、必要に応じて助言又は指導を行うことができる。
2 村長は、助言又は指導の必要がないと認めるときは、届出があった日から14日以内にその旨を通知するものとする。
(所有地等の適正な管理の要請又は勧告)
第9条 村長は、村民等又は事業者の所有地等の管理が適正に行われず、周囲の景観を著しく阻害していると認められるときは、所有地等を所有又は管理する者(以下「所有者等」という。)に対して、適正な管理又は必要な改善を要請又は勧告することができる。
2 村長は、前項による勧告を行う場合は、青木村景観審議会に諮り意見を聞くものとする。
(措置)
第10条 村長は、所有者等が前条第1項による勧告に従わなかった場合又は何らかの理由によって適正な管理又は必要な改善が困難であると認めるときは、美しい景観の保全・育成のために必要な措置を講ずることができる。
2 村長は、前項による措置を講じた場合において、その費用の全部又は一部を当該所有者等に請求することができる。
2 村長は、景観資産を指定しようとするときは、あらかじめ所有者等の同意を得た上で、住民の意見を聞き、青木村景観審議会に諮り決定するものとする。
3 村長は、景観資産を指定したときは、その旨を告示するものとする。
4 村長は、景観資産の指定を解除又は変更しようとするときは、前2項の規定を準用するものとする。
(行為の届出及び助言又は指導)
第12条 景観資産において、第7条第1項に規定する行為を行おうとする者は、規則に定める規模に関わらず、原則として行為に着手する日の30日前までに、村長に届け出なければならない。
2 村長は、前項による届出があったときは、当該届出者に対して、必要に応じて助言又は指導を行うことができる。
3 村長は、助言又は指導の必要がないと認めたときは、届出があった日から14日以内にその旨を通知するものとする。
(景観の保全・育成のための支援等)
第13条 村長は、景観資産を保全・育成するために必要と認めるときは、その所有者等や住民に対して助言又は技術的援助若しくは保全・育成に要する費用に対する助成を行うことができる。
第3章 景観審議会及びその他の組織
(景観審議会)
第14条 美しい景観の保全・育成に関し、必要な事項を調査及び審議するため、青木村景観審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
(任務)
第15条 審議会は、この条例において定める事項のほか、村長の諮問に応じて、村の景観の保全・育成に関する重要な事項について調査及び審議するものとする。
(組織)
第16条 審議会は、委員10人以内で組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから村長が任命する。
(1) 識見を有する者
(2) 関係行政機関の職員
(3) その他村長が必要と認める者
(任期)
第17条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第18条 審議会に、会長及び副会長各1人を置き、委員が互選する。
2 会長は、会務を総理する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときはその職務を代理する。
(会議)
第19条 会議は、会長が招集し、会長が議長となる。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第4章 雑則
(補則)
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、村長が別に定める。
附則